相続した財産をご売却した場合には、所得税と住民税が課税されます。ただし、相続税の申告期限から3年以内のご売却の場合には、確定した相続税額を譲渡所得の計算上、取得費に加算することができます。その結果、ご負担する所得税や住民税が安くなります。
ただし、納税された相続税の全額ではなく、ご売却された財産に相当する相続税額だけです。
通常の場合
譲渡所得=売却価格−(取得費+譲渡費用)
相続税の取得費加算の特例を適用した場合
譲渡所得=売却価格−(取得費+相続税のうち一定額+譲渡費用)
相続された土地を譲渡した場合には、さらに有利になります。底地や借地でも同じです。
ご売却した土地に相当する相続税だけでなく、相続された土地すべてに相当する相続税額を加算することができます。
ただし、平成26年12月31日までに発生したご相続に限ります。
ご売却により、相続税の納税資金を調達する場合には、この「相続税の取得費加算の特例」も最大限に活用できるように遺産分割協議を進めることが重要です。
決して、安易に法定相続分で分割協議をまとめたりしないことです。