物納とご健在のうちからの実測・境界確認
延納をしてもなお、現金で納税することが難しい場合は、相続した財産そのもので納税をする「物納」も考えられます。
しかし、こちらも、延納と同様に平成18年の改正から要件が厳しくなりました。
物納することができる条件
1.延納をしても金銭で納付することが客観的に難しいこと
2.物納できる財産があること
3.税務署長が許可をすること
決して、申請をすれば、すべてが認められるものでありません。あくまでも、税務署側の許可に頼ることになります。
「基準を明確に、手続きは迅速に」と言われて行われた改正ですが、むしろ、「物納を受け付けたくない」姿勢の表れです。
特に分割協議が相続税の申告期限である10か月以内にまとまらない場合はもちろん、土地の境界が不確定であったり、遺留分減殺請求がされているような場合も明確に「不適格」として、対象から除外されることとなっています。
納税手段の一つとして物納を考える場合には、今まで以上にご健在のうちからの対応を求められています。
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安易に「いざとなったら、物納でもして・・・」は危険です。
万が一、予定通りに納税できない場合には、他の相続人の方々にも「相続税の連帯納付義務」が生じます。
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